相続を放置していたら?

 

相続手続きをしていないだけ、でも・・

 相続がそのままで亡くなった方の名義のままという場合、「まだ相続をしていないので、相続人の所有ではない」と、思われる方がいるかもしれませんが、人は亡くなった時点で、動産や不動産の所有者とはなれません。

 

 この為、その状態は相続人の方々が相続により共有している状態となり、すでに所有者は相続人に移っているものの、“名義変更の手続きをしていないだけ”ということになります。

 

 もし、亡くなった方に空き家や耕作放棄地などがあり、将来的に近隣に迷惑を及ぼす様な事態になりますと、その所有者として管理責任が問われることにもなりかねません。

 

相続の期限と放置の問題点

 いつまでに相続手続きをしなければならない、という期限はありません。

 

 相続登記は義務ではなく、行政や法務局などによる催促や通知もないからで、親の家に子がそのまま居住している場合、争いがなければそのままになっていることも少なくありません。

 

 ただ、相続に期限がないとしても、放置することで様々な問題が生じることがあります。

 

相続人が代わってしまう

 年月が経過して、当初の相続人の方が亡くなりますと、次の世代の方に相続が引き継がれますので、相続人自体の数が増えたり、遠方の方、あまりお付き合いがない方などが相続人になる場合もあります。

 

 そんな状況で相続手伝いをしようとしても、その方々との相続はうまくすすまない場合もあります。

 

固定資産税が上がる

 相続した住宅が空き家の状態で放置され、管理状態が悪くなってしまいますと、自治体の判断によって固定資産税軽減の優遇措置(1/6に軽減)が適用されず、翌年からの固定資産税が大幅に上がることになります。

 

相続税の控除・特例が利用出来ない

 相続税には、「配偶者控除」や「小規模宅地等の特例」といった、税制上の施策がありますが、これらは申告を行うことで初めて適用されます。

 

 これらの施策を用いれば相続税が課税されない、という場合も申告をする必要がありますし、“相続があったことを知った日の次の日から10か月以内”という申告期限もありますので、注意が必要です。

 

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相続人の状況による違い

 

相続人の状況で相続が変わることがあります

 相続人がどの様な状況の方かにより、一般的な相続と異なる場合があるのですが、先入観や思い込みが原因で、それがトラブルになることも起こっております。

養子の方がおられる相続

 民法上、実子と養子で相続権に違いはありませんので、第1順位として同じ相続権を有することになります。

 

 また、養子となった方は、特別養子の場合を除いて、実の親(血縁関係にある両親)の相続人から除外される訳ではありませんので、養親と実の親それぞれで、第1順位の相続人となります。

 

 「他の家に養子に行った子供は、自分の相続人ではなくなる」という訳ではありませんので、ご注意下さい。

 

子連れの方が再婚した場合

 再婚をして婚姻届が受理されますと、夫婦となった二人は配偶者として、当然にお互いの相続人となりますが、子供のいる方が再婚された場合、連れ子の方は、自分の親の再婚相手の子供として、当然に相続人となる訳ではありません。

 

 再婚相手の方と連れ子の方では、新たに養子縁組を結ばない限り、法律上の親子関係が生じない為、将来の相続においても子供としての立場で相続権が発生しない規定となっております。

 

 例えば、二人の子供(長男、次男)がいる女性が再婚されたとして、新たに夫となった方と長男が養子縁組をして、次男は養子縁組をしていない場合、その後夫が亡くなれば長男は相続人となりますが、次男は相続人にならないということになります。

 

 もし、次男が同居をして介護などのお世話を献身的にされていて、長男は全くお付き合いがなかったという様な状況であっても、相続権が発生する訳ではありませんので、ご注意下さい。

 

婚外子がおられる場合

 法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子供を「摘出でない子」といい、その子供が認知されて戸籍に記載されれば、法律上の子供として認められ、婚姻関係にある男女から生まれた子供(摘出子)と同じく、第1順位の相続人となります。

 

 こちらにつきましては、平成25年9月4日最高裁の決定に基づき、同年12月に民法が改正されて、摘出子と摘出でない子の相続割合は同じとなりました。

 

 ただ、この改正で過去の相続すべてが同じ相続割合に変わるのではなく、相続開始日(死亡した時)によって、この法律が適用されるかどうかが変わります。

 

◆相続続開始日による違い
・平成13年6月30日まで
 摘出でない子は2分の1

 

・平成13年7月1日〜平成25年9月4日の間
 摘出子と摘出でない子の相続割合は同じ
 但し、遺産分割の協議や審判等での合意など、既に確定的になった法律関係はそのまま

 

・平成25年9月5日以降
 子供はすべて同じ相続割合

 

半血兄弟姉妹がおられる相続

 相続人が兄弟姉妹の場合で、両親のどちらかが異なる兄弟姉妹の方がおられれば、その方は「半血兄弟姉妹」と呼ばれます。

 

 民法900条第4項では、「〜父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。」と規定し、半血兄弟姉妹の相続割合に違いを設けております。

 

 この点につきまして、子供が相続人の場合は、両親の一方が異なる子供の相続割合も同じに変更されましたが、半血兄弟姉妹の相続割合に変更はありませんので、混同しないよう注意が必要です。

 

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