認知症や介護への備え

認知症や介護への備え

高齢化社会、人口減少時代の日本

日本における65歳以上の高齢者の方は約3,400万人で、総人口の約30%となっております。

 

 2060年には、「人口減少時代」の突入により、その割合は40%にまで高まるとも言われ、将来、認知症などの原因により、日常生活を自分だけで送ることが難しくなったら」というご心配をお持ちの方は多くおられます。

 

 また、手術や入院、福祉施設などに入所する必要が生じた場合、緊急時の連絡先としてだけではなく、費用の保証等の為、「身元引受人」「身元保証人」求められることが多く、ご自身に万一があったの場合の葬儀や埋葬、諸々の手続きや家財道具の整理等を、誰が行ってくれるのか、という問題も生じます。

将来的に備える為の契約や制度

現在から将来における、本人保護の為の契約や制度

身近に信頼できる親族などがいない方の場合、第三者の方にそれを依頼することも出来ますが、こちらはご自身と相手側による「契約」が必要となりますので、認知症などになってしまう前に、詳細を擦り合わせて決めておく必要があります。

 

 具体的には、定期的な訪問をさせていただく「見守り契約」、お金の管理に関する部分は「財産管理契約」、もし認知症になってしまった場合の後見人を自分で選ぶ「任意後見人」、亡くなってしまった後の様々な手続きを「死後事務委任」という契約や制度によってお任せすることが出来ます。

 

 また、財産の引き継ぎ方法に関しましては、遺言の作成や生前贈与の検討が併せて必要になりますが、「家族信託」と呼ばれる契約を用いる事で、遺言では実現する出来ない、財産の引き継ぎ方を実現することも出来ます。


直接お会いすることの意味

様々な制度や契約を用いることは、ご本人の安心の一つにはなりますが、それだけで「安心して、日常生活を送れる」という方は稀です。

 

 人は、“人と関わること”で、生きている実感や安心感の様なものを感じる生き物だと思いますし、定期的にご本人とお会いすることは、ただの安否確認以上に、とても大切なことだと考えられております。

 

 直接お会いしてお話しをすることで、制度や契約では分からない、ご本人の性格やお考え、大切にしたいものなど、様々なことを教えていただくことが出来ます。

 

 人としてのお付き合いには、“お互いを知る”という、コミュニケーションの部分が重要ですし、それが無い様な関係では、信頼関係を築くなどということは、到底出来ないのではないでしょうか。

「見守り」に求められるもの

「見守り契約」といいますと、毎月決まった回数を訪問することにより、病院や福祉施設への付き添いや手続代行手術など医療行為への同意を除く、役所などへ手続き、日用品の買い物などのお手伝いを行う、というところが、一般的な契約上の役割です。

 

 ただ、実際私が関わらせていただいている方々におきましては、ご本人の状況による理由はもちろん、ヘルパーやケアマネージャー等の福祉関係者の方々からの依頼等により、不定期に訪問させていただくことが多々あります。

 

 その他、お友達やご近所の方についてのご相談、補聴器の調整を必要とする方、将来の樹木葬の場所を見に行く方、中には、疎遠になったご親族とのお話し合いのお手伝いなど、様々な形で関わらせていただくことも珍しくありません。

 

 本当の意味での「見守り」とは、機械や業者任せの訪問ではなく、ご本人様はもちろん、周りにおられる方々と一緒になって、「日常の他愛もないようなことでも、お話になれる存在」になれるかどうか、ではないかと考えております。