任意後見

任意後見

任意後見制度について

任意後見制度とは、その名の通り「任意」に「後見」人を選べる制度です。

 

 ご自身がお元気なうちに、将来の後見人となる方に依頼して、その方との間で任意後見契約を交わすことで成立致します。
 後見人の制度として一般的に知られている、「法定後見制度」は、家庭裁判所が後見人を選任致しますので、大きな違いの一つとなります。

 

 任意後見契約は、将来の後見人への就任を契約しておくものですが、それは公正証書で作成することが定められており、公正証書遺言と同様、公証役場で作成する書類となります。

 

 また、任意後見契約を結んだだけでは、すぐに後見人としての業務が始まる訳ではありません。
 この状態は、将来の後見人を予約している」様な状態となりますので、定期的な費用が発生することもありません。

 

※任意後見契約において、主に取り決められる事項

  1. 契約の目的
  2. 委任する事務の範囲
    別途、代理権目録を設ける
  3. 財産以外(身上監護)の事務
  4. 委任事務に必要な物の保管・管理
  5. 生活に必要な費用の支払い等
  6. 任意後見人の報酬
  7. 委任事務の報告義務
  8. 契約の終了時期

 

 将来、本人の判断能力が低下し、後見契約の開始(実際は任意後見監督人の選任)を家庭裁判所に申立しますと、家庭裁判所が「任意後見監督人」を選任します。

 

 この任意後見監督人の選任の申立ては、「本人、配偶者、四親等以内の親族、任意後見受任者」より行うことが出来まして、任意後見監督人の選任をもって、任意後見受任者は初めて任意後見人となり、当初の任意後見契約の効力が発生する事になります。

 

 任意後見人は、任意後見契約の内容を実現し、その為に行ったことを、任意後見監督人対して、定期的に報告する義務があります。
 これは、任意後見人が本人の判断能力の低下を悪用して、財産の私的利用などをしない様、チェックする役割を任意後見監督人が担っているからです。

 

 また、任意後見契約の解除は、任意後見監督人が選任される前なら、本人又は任意後見受任者は、公証人の認証を受けることで行うことが出来ます。

 

 ただし、任意後見監督人が選任された(任意後見契約の効力が発生した)後では、正当な理由があり、家庭裁判所の許可がある場合に限り、可能となります。